犬の会陰ヘルニアは、去勢手術をしていない中齢期以降のオス犬で多い病気です。ダックスやコーギーなど胴長短足犬種に多い印象ですね。

会陰部(肛門周り)の筋肉がやせ細り、筋肉と筋肉の間にスペースが出来きます。そのスペースに腸が入り込み、上手く自力排便が出来なくなります。

用手で溜まった便をかき出す方法もありますが、根本解決は手術でスペースを埋めるしかありません。スペースに腸だけでなく膀胱までもが入り込んでいる場合は緊急性があります。

ただ手術は難易度が高く、再発する可能性もあります。今回の子は他院にて手術を受け再発したケースで、一般的な方法(内閉鎖筋フラップ)では無理ですし、なぜか片側の肛門括約筋が切除された状態なので、半腱様筋フラップを用いた整復法で行いました。